先日の豪雨により被災された方々へ謹んでお見舞い申し上げます。
まずは衣食住の日常化に向けゴミや泥の搬出が最優先ですが、今回は水没したトラクター(農機具)が正常に使えるのかどうかの一つの判断基準として例を挙げてみます。私自身が実行してたまたまうまく復活した事例です。みなさんは自己責任でやってくださいm(__)m
1.泥を洗い流しましょう。
これから進めるトラクター(農機具)のチェックですが、普段外すことがないような部分を外すことになります。 外した箇所から泥が入り込むとそのせいで致命的なダメージを受ける可能性もありますので水洗いは丁寧に行ってください。特にエンジンは入念に!
2.機体内に水の侵入があるのか確認しましょう。
水洗いが終わればオイルゲージを抜き取ってオイル量をチェックです。 もし機体内に多量の水が侵入していたらゲージを抜いたその穴からオイルが噴き出る場合もあります。
下記のような症状はございませんか?
オイルゲージに水滴が付着していれば水が浸入してる可能性があります。
オイルが噴き出てくれば多量の水が浸入してます。 オイルは水より軽いです。なので水が下に溜りオイルが押し上げれています。だからオイルが噴き出てくるのです。
また、稀にあるんですが、エンジンのオイルゲージを抜くと水が噴き出すこともあります。オイルゲージの位置を上回る量の水が浸入してるためです。
エンジンのオイルゲージだけでなくミッションのオイルゲージも同様に確認しましょう。作業機のオイルも同様に!
3.次にクラッチハウジング内の水を確認!
クラッチハウジング下部にあるねじを外すだけ! 正常であれば何も出てきません。水が浸入していれば水が出てきます。
まれにオイルが出てくることがありますがそれは異常です。エンジンオイルかミッションオイルがクラッチハウジング内に漏れてるということ。オイルシールの交換が必用です。今回の水没とは無関係でしょうね。
4.水が入ってる疑いがあれば水もオイルも抜いてしまいましょう。
普段から自分でオイル交換してる人であればエンジンオイルもミッションオイルも抜くことは簡単ですね。
5.次に吸気、排気ともにマニホールドを取り外す。
可能であればエンジンとの接合部のねじを外す。もしくは緩めるだけでも大丈夫! 隙間をつくることによって侵入してる水を逃がすことが大事です。
さてここからは一般の方にとっては不慣れな手順になります。
6.ディーゼルエンジンならグロープラグを、ガソリンエンジンなら点火プラグを取り外します。
事前の丁寧な水洗いが重要です。 プラグを外した穴から泥や小石、ごみが入らないように細心の注意を払ってください。
特に水量がエンジンの高さを超え水没してるのなら必須です。 燃焼室に水が溜まってる可能性がありますのでそれを抜く作業です。
もし、プラグを外さず燃焼室に水が入ったままセルを回すとクランクシャフトやコンロッドを変形、破損させる恐れがあります。
プラグを外すということはエンジンの圧縮を抜くということです。
7.一瞬だけセルを回してみましょう。
デコンプがあるトラクター(農機具)なら念のためデコンプを作用させてから、キーを一瞬だけスタートに回す。セルが一回だけガン!!と回る一瞬だけキーをスタートに回すんです。
燃焼室に水が溜まっていたらプラグを外した穴から水が噴き出てきます。結構な勢いで、結構な飛距離で水が噴き出ますのでご注意を!
8.エンジンが回れば今後も正常に使える可能性が高いです。希望をもってください。(^O^)
燃焼室の水が噴き出なくなるまでセルを何度も回して水を出し切ってください。
ここからはエンジンを掛けるための準備です。希望を持って取り組みましょう(^^)
9. 燃料タンク、燃料フィルターの水を抜き綺麗な燃料を入れましょう。
.新品のエンジンオイル、ミッションオイルを入れましょう。
10.分解した逆の手順で部品を組み元に戻しましょう。
11.いよいよエンジンスタート!
しかし安心はできません。 たとえエンジンが掛かってもエンジンが止まらないことがあります。 原因として電装品の不具合や噴射ポンプの固着などが考えられます。 そんなときは燃料コックを閉じて燃料の供給を止めるか、ギヤを入れブレーキを強く踏んだままクラッチを繋ぎエンストさせる。 エンジンの止め方をしっておれば落ち着いて対処できることでしょう。 それでも止まらない場合は知りません。 私にはアイデアがないです。 また、クラッチディスクが錆びてたらギヤを入れることができませんのでエンストの手段は消えます。
12.エンジンが掛かれば一安心ですね。
あとは販売店に任せ必要な整備、修理をすれば延命することでしょう。
トラクター(農機具)を買い替えるぐらいならダメもとでやってみようかなぐらいの軽い気持ちで取り組んでください。復活すればラッキーという程度で。
トラクター侍
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